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Cafetalk Tutor's Column

Tutor Shibashiba 's Column

モロッコでの山登り - ガイドさんへの感謝 2

2021-05-10 | 1 Comments

10年以上前に行ったモロッコへの家族旅行の続きです。

 

山登りで崖をよじ登ってる途中でした。

 

無理。

私にはこれ以上登れない。

飛び降りることならできそうだけど。

やっぱり別のルートをお願いしてみようか?

 

上を見ると、幼い息子がガイドさんの肩の上から私を見下ろしています。

子どもを肩に載せてまた降りてなんて言えるはずはない。

 

ど、どうしたらいい?

 

とその時、ガイドさんが言いました。

「その突起につかまって。」

 

え、そんなもんあった?

 

「あなたの右手の少し上です。」

 

ほんとだ。

 

「次は、左足をそのくぼみにかけて。」

 

はい。

 

何もとっかかりがない壁と見えた岩壁にも、言われてみるといろんな凹凸がある。

 

ガイドさんが一歩一歩、一手一手私を導いてくれたので、その通りにしたらほとんど腕の筋肉を使わずに上まで登れました。

 

この人はこの山の石のひとつひとつ、くぼみのひとつひとつを熟知しているんだろうな、と実感しました。

幼いときからこの山で遊んでいたのかもしれない。

 

その後は、言われていた通り、楽な道でした。

裏道なのか、他の観光客に会うこともなく、緑の木陰やせせらぎを通って気持ちよく降りていきました。

登りの乾いた埃っぽい道とはまったく違った趣で、こちらを選んでよかった。

 

途中、小さな売店がありました。

木陰の岩のくぼみのようなところで商品を並べ、流れる清水を利用して飲み物を冷やしているのです。

 

「ベルベル人の冷蔵庫ですよ。」とガイドさんが言いました。

そしてガイドさんはそのまま通り過ぎようとしたのですが、私は息子によく見せたくて、ちょっと立ち止まって「見てごらん」と言いました。

 

するとすかさず、ガイドさんは自分のポケットからお金を出してお菓子をひとつ買うのです。

 

お店をじろじろ見ただけで通り過ぎたら、マナー違反ですね。

財布にもっとお金を持っていればよかったと後悔しました。

夫がそこでお金を使うはずはないのですから。

 

しかもガイドさんは買ったお菓子を息子にくれるのです。

私は恥じ入りました。

 

下につくと、私たちは心からお礼を言って、夫も最初値切ったより高めの謝礼をお支払いしました。

(夫は最初に紹介されたガイドさんの料金に納得しなかったため、もっと安い料金でこの若いガイドさんを頼んだという経緯を前に書きました)

結局、最初のガイドさんの言い値を自分からお支払いしたのです。

 

それだけのことはあった、と納得したのですね。

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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