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シベリウス国際ヴァイオリンコンクール inヘルシンキ

Aoi Saito


先月、フィンランドのヘルシンキにて開催された第12回シベリウス国際ヴァイオリンコンクールに参加してきました。
1965年より5年おきに開催され、過去の優勝、入賞者としてムローヴァ、カヴァコス、バティアシヴィリ、ハチャトゥリアンなど、現在では世界の第一線で活躍する演奏家たちを輩出してきたコンクールです。
今回は2020年冬の開催予定だったものがコロナ禍で1年半延期となり、6年半ぶりの開催、最初のビデオ審査の申し込みは240人でした。
その中から49人が実際にヘルシンキに行って1次予選を演奏できることになり、私もその一人に選んでいただくことができました。
連絡が来たときは、自分の中でとても大きなコンクールだと思っていたので、本当にびっくりしました。

また本大会の1か月ほど前には、世界情勢の影響で当初選ばれていたロシア人2名の、参加の強制的に却下するというコンクール側の決定があり、複雑な気持ちになりました。

会場のヘルシンキはロシアのサンクトペテルブルクから300km(東京から名古屋ほど)しか離れておらず、開催の時期はNATOに加盟するかどうかという決定が下される時期でもあったため、到着するまでは少し緊張もありましたが、着いてみると街中の雰囲気は特に変わった様子はありませんでした。

到着した日は他のコンテスタントとの夕食会があり、次の日の朝に演奏順を決める抽選会をしました。

私は現地に来た39人(ロシア人2名以外にもスケジュールの問題などでキャンセルした方がいたため)の中で、最終日の後ろから4番という順番になり、1次予選までもかなり時間がありました。

1次予選では、バッハの無伴奏ソナタ第1番よりアダージョ、フーガ、シチリアーノ、パガニーニのカプリスより第10番、11番、シベリウスのTanz-IdylleとNoveletteという小品を演奏しました。

1次予選演奏動画(フィンランドのテレビ局のサイトの動画に飛びます)
https://areena.yle.fi/1-62462045?seek=4155

そして、1次予選を通過してセミファイナルの18名に残ることができたので、4日後にもう一度演奏しました。
セミファイナルの時は、現地についてから毎日7,8時間はホテルで練習していたので体力的にかなりきつかったなと思いました。
大きな長いコンクールでは体力配分はよく考えなければいけないポイントで、不安だからと練習しすぎてしまうと本番前に疲れ切ってしまうので注意が必要です。
私も今回はもっと改善の余地があると感じました。

セミファイナルではコンクール委嘱作品のMagnus Lindberg氏による新曲、プロコフィエフのヴァイオリンソナタ第1番、シベリウスのユーモレスク第1番、第5番、サン・サーンス/イザイの『ワルツ形式の練習曲によるカプリス』で65分ほど演奏しました。

セミファイナル演奏動画
https://areena.yle.fi/1-62462146?seek=4919

今回はファイナルの6名には残ることができませんでしたが、周りのいろいろな方から「ライブ配信見たよ」とのお声をいただき、また2回演奏の機会をいただけたことがとても励みになりました。

翌日にはほかのセミファイナリストのお友達数名で、シベリウスが長年住んでいた『アイノラ』(アイノの家、シベリウスの奥さんの名前です)に観光に行きました。




これからも経験をたくさん積み、生徒の皆様との充実したレッスンに還元できるよう精進します。


Aoi Saito♪

 

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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