18世紀の終わりから19世紀初めのヨーロッパ。
フランス革命の混乱から戦争へと発展します。
イギリスでは産業革命が起こり、日本は鎖国中でした。
ナポレオンが率いたフランス軍が他国へ侵略します。
ヨーロッパのすべての国を巻き込んだナポレオン戦争。
立場を変える国もありましたが、一貫してフランス軍 Vs イギリス軍でした。
フランス軍はポルトガルを攻めるためにスペインへ通行許可を取ります。
ところがフランス軍はスペインに留まり、支配していきます。
ゴヤの作品『1808年 5月3日』
1808年から1814年にかけて起こった対フランス軍のイベリア半島での戦争を半島戦争、スペイン独立戦争などと呼びます。
さて、ベートーヴェンの作品は初期、中期、後期に分けられます。
1802年、30代前半のベートーヴェン。
遺書を書いた頃から中期に入り、数多くの名作を残しました。
その中の1つでもある『英雄』ナポレオンの曲を作曲しましたが、今度はフランス軍の敵、イギリス軍の勝利をテーマに作曲します。
『ウェリントンの勝利またはビトリアの戦い』作品91
現在のビトリア=ガステイスという街。近郊にあるサドラ川のほとりでの戦いです。
1813年このビトリアの戦いでイギリス軍が勝利し、イベリア半島でのフランス軍敗退を決定的にします。
交響曲ですが、9曲ある自身の交響曲にはカウントされていません。
イギリス軍のメロディーとフランス軍のメロディー、そして2つのメロディーが戦い、最後はイギリス軍が勝つという構成です。
ベートーヴェン自身が指揮をした初演は大成功を収めました。
今はほとんど演奏されませんが、当時はとても人気の曲だったようです。
今、わたしはビトリア=ガステイスに住んでいるのですが、
街をぐるっと囲むように遊歩道があり、サドラ川周辺もお散歩ができます。
ちなみにここは子供の通学でよく通るところです。
この建物はナポレオンが1808年11月5日から4泊したとされていて、現在は「ナポレオンの家」というレストランになっています。
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