紅茶派?コーヒー派?:YutaTanakaSound

今週のテーマ: あなたは紅茶派?それともコーヒー派?

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結論から申し上げますと、私はコーヒー派です。

紅茶かコーヒーということですが、共通点はカフェインを含む飲み物という点ですね。これらの飲み物はルーティンとして生活に取り込んでいる人が多いと思います。朝食後の一杯。昼食後の一杯。休憩中に一杯などなど。アメリカではコーヒーを眠気覚ましのために朝にがぶがぶ飲む人が多いようです。アメリカのスタバのコーヒーはデカいですよね。私の場合はカフェインのためにコーヒーを飲むのではなくて、その香り、味、温度、それから「コーヒーを飲む」という動作のために飲んでいます。実は10年ほど前からブラックコーヒーに凝りだして、今は毎朝HarioのV60という日本製のコーヒードリッパーを使ってコーヒーを淹れています。ちなみにこの日本製のドリッパーはpour overというコーヒーの淹れ方のスタンダードな装備として世界中で愛好家たちに使用されています。

私はコーヒーを通じてルーティンというものの意義を考えるようになりました。ルーティンというとただ同じことを繰り返すだけであまりいい意味が無いように感じますが、ルーティンを「儀式」のように自分の生活に取り込むと、意識しなくても毎日自分の身体が先回りして次にすることを準備し始めるというペースを作ることが出来るように思います。毎日、朝起きて朝食を食べたらコーヒーを飲み、それから仕事に入る。そうするとコーヒーを飲むことで身体が「これから仕事だ」という風に準備してくれるということですね。身体が自分の動作を先回りしているので意識がブレにくく、つまりは集中力が増すということです。

ルーティンにはもう一つ別の要素も有ります。同じことを毎日繰り返すことでdetail、ほんの少しの違いに気づくことができるようになり、精度を上げていくことができるということです。ただ単にコーヒーを淹れるという動作の中にも実はいろいろ複雑な要素があって、豆の種類はもちろん、その鮮度、挽き方、使う水、その温度、淹れる時間の長さやタイミングなどなど、ほんの少し変わるだけで味が変わります。昨日はこうだったから今日は少し変えてみようとか毎日やっているうちに、勘と知識が付いてくるのです。継続は力なりと日本では言いますが、ただ単に同じことを反復しているだけでなく、そのプロセスと結果を考えて「明日は少しでも良くしよう」と思って毎日継続すると長年の後に他の人が一朝一夕では身に付けられないレベルのスキルが身につくはずです。それを仕事なりスポーツなり音楽なり研究なり、自分のライフワークでするのが理想なわけですが、コーヒーなどといった一見些細なルーティンからも「継続の力」を体験することが出来るというのは面白いことだと思います。クラシック好きの方なら聞いたことあると思いますが、Beethovenは一杯のコーヒーに使う豆の数を決めていて、自分で一粒一粒数えてから淹れていたという逸話があります。無駄だと思うかもしれませんが、私はこだわるのはいいことだと思います。

そして、コーヒーを飲むといったような簡単に出来る動作にこだわり抜いたのち高い満足を得ることができるようになれば、自分のいわゆる「幸福感」がほんの少し上がったことになりますよね。
本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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