卒業式の思い出

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Shibashiba

私が一番よく覚えているのは、実は小学校の時の卒業式です。

で、卒業式で一番よく覚えている人は、担任の先生ではなく図工の先生です。

で、その先生はあまり人気がない先生でした。

小学校の図工なんだから楽しく描ければいいという考え方もあると思いますが、その先生はとても厳しくて、みんなちょっと怖がっていました。

5,6年の時にお世話になったのですが、私も最初はあまり近づきたくないと思っていました。

体罰をするとか、怒鳴るというのではありません。

ただ、彼の図工に対する態度は厳しくて、私たちにもそれを求めていたように思います。

ところが6年生の途中で、何がきっかけだったかは覚えていないのですが、私は突然先生の意図が理解できた気がしました。

そのとたん、先生のことがまったく怖くなくなり、厳しさも嫌ではなくなりました。

先生がやり方を変えたのではないと思います。他の子たちは相変わらず怖がっていましたから。

もっと早く先生の考えを理解できればよかった。
なんて時間を無駄にしたんだろう!

その時から、残り少ない図工の授業を精一杯大切にしていました。

卒業式の日、すべての先生が「花道」沿いに並んで、拍手で送ってくれました。
みんな自分が好きな先生のところで立ち止まってお礼を言っていました。
私はもちろん、その先生のところで止まって、何度もお礼を言いました。
先生は珍しく目を細めていて、いつもの厳しさは微塵もありませんでした。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
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