海底の石、それは…わたし①を読む
海底の石、どん底のわたし②を読む
推薦入試に失敗したわたしは、翌年2月に本受験する気力が無かった。
もともと、行きたい短大・学部でも無く
周りが進学するから…。
”それだけで決めた進路希望”に
執着が全く無かった。
わたしは、母に申し出た。
「行きたい学校が無いから、就職する」
すると、恐い母は烈火の如く
わたしに怒りをぶつけて来た。
「なにを言い出すのおぉぉぉぉ。
あんたの進学のために、お金を貯めてきてるのよ。
お姉ちゃん達だって、上の学校に行かせたんだから
あんたにも行ってもらわないとぉぉぉぉ╰(°ㅂ°╬)╯」
わたしのキモチなど、そっちのけである!
親としてのメンツなのか、見栄なのか
母は、とにかく短大でも大学でも、専門学校でもいいから
進学しろ!と言うのである。
ところが、やはり英文科はダメだという。
どうにもこうにも、いろいろ考えても行きたい学校は無く
とうとう、母が「良いところがある!」と言い出した。
それは…簿記学校。
簿記学校!?
初めて聞いた言葉、学校。
「そうよ! Toriaちゃん、簿記学校がいいわ!」
母は名案を思い付いたとばかり、上機嫌になっていた。
わたしは納得が行かず
またも、隣のクラスのT先生のところへ走った。
「先生、うちの親が簿記学校に行けって言うんですけど
それだったら、私はS短大の経営科にでも本受験しようと思うんですけど」
T先生は、わたしのフラフラした気持ちをすべて見通していた。
そして、意外な答えを返してきた。
「S短大はやめておけ。無理だって言ってるわけじゃない。
でも、今のおまえには勧めない。
簿記学校、いいと思うぞ。
お前にとっては、いいんじゃないか~」
なんてこった(。゚ω゚)
こいつもウチの母の一派か!
しかし、その横でわたしの担任は
「大学か短大、本受験しろ~
おまえだったら、まだ行けるところあるぞ」と耳打ちする。
大人たちの、あれやこれやの雑音に
わたしは「誰の進路なんだ」と愕然となった。
そして、面倒になった。
多数決だ!
母とT先生が「簿記学校がいいぞ!」と言うなら
そうかもしれない。
簿記学校がなんぞかわからぬが
わたしは、仮押さえで「簿記学校に進学希望」と行き先を変えた。
そして、次の日
すぐ上の姉にズルズルと引きずられ、神田神保町に向かった。
2校の簿記学校を見学し、結局これまた
母の意見が最優先で、創立80年とかいう
そこそこ名の知れた簿記学校に決めた。
それでも、なお
わたしは迷っていた…
でも、これでもう
勉強しなくていいんだ!と思うと、心底ホッ!とした。
もう進路の事を考えなくていい。それでクリスマスを、大晦日を
新年を迎えられる。
大した戦いもしていないのに、ヨレヨレになっている鎧。
それを脱いだ、瞬間だった。
そう…
わたしは逃げたのだ。
戦う事を選ばず、逃げたのだ。
海底の石は、流れに身を任せるだけだった…続きを読む
Sheryl Crow - My Favorite Mistake (1998)
実は、何の戦いにも出ていない
へっぽこだという事に、気づきながらも
当時の私は「主体性」などというものは、持ち合わせていなかった。
流されて決めた簿記学校
私は、初めて「学びの地獄」を見る事になる…。
TORIA (o ̄∇ ̄)/