長文読解の背景知識、第3回は、電波です。
物理学の面白さには、目に見える現象の原理が分かってスッキリできること!そして、目に見えない現象であっても、原理を追求することで、実際に何が起こっているのか想像できるようになること!の2面性があります。
私が学生だった頃は、目に見える現象でも、まだまだ解明されていない分野がたくさんあったように思えますが、今では、当時はどこにあるのかさえわからなかったブラックホールが可視化されるなど、目に見えない現象を追求する分野でも、大きな飛躍を遂げています。
そんな目に見えないものの代表格、物理学の基礎ともいえる、電波って、いったい何?というお話です。
電波そのものを、物理学的にきちんと理解するのは大変です。ただ、日常生活の中で、どのような場所で、どのように使われているのか?を簡単にイメージできるようになっておくだけでも、いろいろな場面で、いろいろな知識を理解しやすくなるので、一緒に確認しておきましょう!
とにもかくにも、まずは、問題に、Let's try!!
解答
https://www.metro-cit.ac.jp/contents/000005340.pdf
私たちは毎日、様々なエネルギーを使うことで、便利な生活を送っています。そのエネルギーを運ぶ方法の一つが電波です。
・エネルギー:物を動かしたり、熱や光、音を出したり、様々な変化を起こすために必要な「仕事」をする力。エネルギーが生まれる仕組みに応じて、電気エネルギー、熱エネルギー、光エネルギーなどと名前が変わります。それぞれのエネルギーは、別のエネルギーに簡単に変化することができます。エネルギーには、色々な種類があり、形を変えながら、それぞれのエネルギーの特徴に応じて、生活の中で活用されています。
・電波:電気と磁石の性質が組み合わせって生まれる波の一種。空間を伝わり、電気エネルギーを別の場所に運ぶ働きをします。
世の中には、様々な種類のエネルギーを電気エネルギーに変化させ、電波を使って別の場所に運び、再度、別のエネルギーの形に変化させて利用する仕組みがたくさんあります。
例えば、テレビ、ラジオ、携帯電話などです!
物理の世界では、いろいろな現象が組み合わさって、他の現象を生み出していきます。一つ一つの現象を掘り下げることも大切ですが、組み合わさって生まれた現象を把握するには、一つ一つを追求する前に、知りたい現象の一番外側のイメージをしっかりとつかむことが重要です。
今回のコラムテーマで言えば、電波とは、電気と磁石の性質が組み合わさって生まれる現象ですが、電気や磁石の性質を追求すると、電波の本質が見えづらくなってしまうということです。あるいは、エネルギーとは何か?を追求するよりも、仕組み自体の理屈を理解する方が、新しい仕組み、生活がよりよくなる仕組みを生み出す近道になる。といった感じです。
さて。今回の長文記事では、電波の特徴と、その特徴をどのようにテレビ放送や、天気予報に応用しているのかが説明されています。
特に、テレビ放送の項目では、直接的な電波の特徴ではなく、アナログ放送とデジタル放送の違いなども扱っており、混乱しやすいポイントとなっています。
このような記事の場合には、あくまでも、電波とはエネルギーを運ぶ手段であり、その手段を応用した様々な仕組みの例が、テレビ放送や天気予報であり、宇宙に太陽光発電所を作ってはどうかというプロジェクトである!という枠組みをはっきりさせることで、文章全体の理解度がぐっとあがるはずです!
今回のコラムでは、電波そのものの話よりも、物理の世界での物の捉え方に注目してみました。物理の世界に限らず、経済社会など、複数の要素が絡み合って、別の現象が生まれるような分野でも有効な物の捉え方だと思います。是非、意識してみてください。
では、次回もお楽しみに!
pic by catalyststuff
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