(2年ほど前に2回ほど書きましたが3000以上の閲覧がありましたのでまた書きます。)
日本語「は」と「が」の違い→理解してしまえば簡単(かんたん)です。
でも、理解するまでが大変です。
本当は、外国人にとって難しいです。N1の人に聞いても、「分かっているようで分かっていない」という返事がほとんどです。
これは、つまり[分かっていないということ]です。
日本人は、分かっているといいます。感覚でわかりますから。
そんな感覚で教えられたら、日本語を勉強する人は、堪りませんよね。
では、説明。
基本の概念「がいねん、考え方」
「は」の時は、その後(あと)の文が大事(だいじ)
「が」の時は、その前(まえ)の文が大事(だいじ)
これ、逆に覚えている生徒、結構多いです。質問するとわかります。日本語教師にも間違えている人いました。日本語教師も、教え方悩んでいます。
具体例をあげて説明します。
「私は台湾人です」 と 「私が台湾人です」
「私は台湾人です」(自己紹介などでよく使われる表現です。)
自己紹介をする人が、一番言いたいのはどこの部分ですか?➡「台湾人です」➡一番大事なのは、「私」ではありません。
「私は、台湾人です」と言いたい、伝えたい、主張したい、わかってほしい時、使い
ます。一番言いたい大事な「台湾人」は、「は」の後(あと)ですね。
一方、
「私が」→「私が台湾人です」(排他消去)
これは、状況説明が必要です。(設定)
(設定)
中国語を勉強したい田中さんという大学生が、大学の人に何か聞いています。
「中国語を勉強したいですけど、中国語ネイティブの人、大学にいませんか?」
➡大学の人は言います。「あそこに何人か人がいますね。あの中に台湾の人がいますよ」
田中さんは、そのグループの人に聞きます。そのグループは、「日本人2人、韓国人2人、台湾人1」でした。田中さんはその人たちに聞きます。
「この中に台湾の人がいると聞きました。どなたですか?」➡台湾人の人が言います。
台湾人の人は何と言いますか?
➡「私が台湾人です」
「グループの他の人(日本人2人、韓国人2人)は台湾人ではありません」
台湾人以外の人は全部、消去、排他されます。
「だれが、何が」で聞かれる場合に、「私が〇〇です。これが○○です。」を使う場
合もよくあります。
この時、「は」と「が」を同じ文に入れて勉強する(教えると)と混乱します。
( )でくくりましょう。
「私は、寿司は(が)好きだ」など➡(私は、)寿司は(が)好きだ。
「は」の他の意味
「は」は「対比」(比べる事、比較する事)の意味もあります。
(対比、排他と言う言葉は、生徒のみなさんは、覚えなくていいです。ただ中国語ネ
イティブは漢字でわかると思います。)
「比べて違う」「消す」と考えましょう。
比べて違う
対比例文1
「妻(つま)は、公園に行きましたが、夫(おっと)は、デパートに行きました」→
妻も夫も外出しました。でも、行き先が違いました。
対比例文2
「姉(あね)は、医者になったが、妹(いもうと)は、弁護士になった」→
「姉」も「妹」も社会人になりました。でも、仕事(職種)が違いました。
対比例文3
いちごは赤いが、バナナは黄色い。➡いちごもバナナも果物で色がついています。
でも色が違います。 比べて違う
「が」を使う時
自然現象(しぜんげんしょう)や、目に見えるものの「状態(じょうたい)」、状況(じょうきょう)、存在(そんざい)有無など、たくさん使います。
みなさん、昼間に自分の部屋から窓の外を見ていると思ってください。 (状況設定)
窓から見える物
犬が寝ています。(状態) 女の人が倒れています(状態)
人が歩いています。(状況) 木が揺れています。(状況) 風が吹いています。(状況) 雨が降っています。(状況) ビルが建っています。(状況)
車があります(存在、有無) 自転車があります(存在、有無) ペンがあります(存在、有無)
ふつうは「が」を使います。(例外もあります)
犬が寝ています➡これは「犬は寝ています」でも言えます。
でも、これは「犬は寝ていますが、猫は起きています」対比の意味(ニュアンス)が入ります。
ペンがあります。➡これも「ペンはあります」でも言えます。でも「ペンありますがが、ノートはありません」対比の意味(ニュアンス)が入る場があります。
「対比」になると、意味が変わります。
情報などで
最初の情報 「が」 後の情報 「は」
むかしむかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。(最初の情報)
おじいさんは、山へ芝刈り(しばかり)に、おばあさんは、川へ洗濯に行きました。
(後の情報 (日本昔ばなし桃太郎)
同じ人や物を何回も言うとき、最初は「が」、次は「は」、そしてその次くらいから主語カットになる場合があります。
おじいさんは→山へ おばあさんは→川へ これには、対比の意味も入っています。
他にも「は」と「が」の違いはあります。接続助詞の「~が」、前振り、前置きの
「が」など。
主題の「は」は、話題として取り立てたときに使います。
「は」と「が」では、「が」のほうが分かり易いです。
逆に「は」は、難しく単純ではありません。
会社で寿司を食べにくことになりました。女性3人で話しています。もう1人社員がいます。その人にも声をかけました。
A「お寿司食べにいくんですけど、行きませんか?」
B「お寿司ですか。いいですよ。お寿司は好きですから。」
このとき、「お寿司は」の「は」には、寿司以外(焼肉、天ぷら、ラーメンなど)は
嫌いだのニュアンスが入ることが多いです。
もうひとつ、日本語を勉強する外国人が一番分かり易い説明。
会社で男性社員が先輩女性社員に言います。
「今日はきれいですね」
このとき、女性が不快な顔をしたら、
「今日だけ?じゃ~昨日はきれいじゃなかったの?一昨日は?」
「は」は、こわいですね。「今日もきれいですね」って言えばよかった~~。
このとき、二つの意味が「は」に入っています。
1,今日、女性社員はきれいであるということ。
2,今日以外(昨日、一昨日、1週間前など)は、きれいではなかったということ。
「は」は、助詞のジキルとハイドと言われると別府大学の日本語の大家の先生がおっ
しゃっていました。
例文の女性社員のように怒られることは、現実には非常に少ないと思いますが、注意
しましょう。でも、この文で覚えると忘れませんね。
日本語の「助詞」はむずかしいですよ。「は」と「が」の違いは難しいですよ。
でも、もう安心です。
日本語を勉強しているみなさん、たぶん理解できたと思います。
私は、数百人に「は」と「が」の違いを教えましたが、理解度率100%でした。
復習してください。
少し長くなりましたが、これだけマスターすれば、まずは安心です。
いろいろな日本語を読み、聞き、この説明で確認してください。そしてそれをいつも
繰り返しましょう。N1,N2以上の人が対象です。
初級の方は、レベルが上がってから勉強しましょう。
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