残るもの、残らないもの|光る君へ

Fukumaru

NHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週見ています。
第9回「遠くの国」では、まひろ(のちの紫式部)と道長をつないだ散楽師直秀(なおひで)の壮絶な最期が描かれました。

まひろの気持ちに寄り添い、道長とも特別な友情をはぐくみ、まひろと道長の絆になくてはならない存在となっていた直秀。ところが、裏の一面であった盗賊の罪によってとらえられ、最後は下級役人の身勝手で殺されてしまいます。

直秀を助けようと道長の差し伸べた手が、かえって事態を悪化させてしまったため、道長は自責の念にかられます。まひろと道長は、直秀たち散楽師のなきがらを手で土を掘って埋葬しました。

という、なんとも悲しいストーリーでした。


音楽については、雅楽を優雅に演奏する場面はありませんでした。当然ですね。

ですが、直秀たちが牢の中で元気に歌を歌っていました。
風刺的な歌ですが、シンプルな旋律で、おそらく当時は、こんな感じの庶民の歌がよく歌われていたのだろうな~と思います。

雅楽は貴族の音楽なので、日記や物語に描かれ、当時の様子を知ることができます。また、現在まで大切に伝承されているので、多少、形が変わっているかもしれませんが、どんなものか生で聴くこともできます。

でも、庶民の歌は残りませんでした。たまに歌詞が記されていたりして分かることもありますが、全容を知ることは不可能です。


私たちは科学の発達した現代で、なんでも知ることができるような気がしますが、昔の音楽、特に庶民の音楽は分からないことが多いのです。残らなかったもの、なのですね。

そして、紫式部や清少納言の書いた物語は現代まで残りました。

では、直秀は…?
直秀の生き方や思いは、まひろと道長の心の中にいつまでも残ることでしょう。


ドラマの後半は、ドロドロとした政略が深まっていきました。おもしろいやらこわいやらですが、否応なく政争に巻き込まれていく道長とまひろの運命を、来週も見届けたいと思います。
專欄文章僅代表作者個人觀點,不代表咖啡滔客的立場。

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