皆さま、こんにちは。イスタンブール在住のSuzukiです。
私にとって最高の褒め言葉?そう尋ねられて、真っ先に頭に浮かぶのは
「それだけ努力できるってのも、才能の一つだよ」
という声です。
若かりし頃、私もいわゆる「逆学歴コンプレックス」を持った時期があります。
大学4年になって「やっぱり学校の先生になりたい!」と、教員免許を取るために必要な講義を受けに教育学部の敷地にまで通い始め、院を卒業後は念願の高校教諭になりました。
しかしその後は「東大の院まで出て、なんで先生なんてやってんの~。もったいないじゃん」と言われまくることに。「学校の先生にするために、東大に行かせたわけじゃない」とまで言われたこともありましたっけ;
そのたびに「先生の何が悪いんじゃ!わたしゃ、子供の頃から学校の先生に憧れていたんだよ。『生徒諸君』に『熱中時代』…憧れて何が悪いんだ~~!途中で受験に振り回されて、いつの間にかそんな憧れも忘れちゃって、テストの得点と順位を上げるのが面白くなって、かな~り頑張っちゃったから…東大に届くまでになっただけで。そもそも東大生だってピンからキリまでいるんだ!全員が全員、その学歴をうまく使えると思うなよ!?なにか?東大に行ったら全員が『末は博士か大臣か』にならんといけないのか?!わたしゃ、世渡り下手なんだよ。悪かったね、東大卒なのに凡人で!」と、多少(?)やさぐれたものです。
まあ…大抵は、知り合ってからしばらくすると皆さん「東大にも、こ~いう人がいるんだねぇ…イメージと違う」と、妙に納得されるようになりましたけどね?
それでも事あるごとに「いやいや、東大卒が何言っているんですか」「でた!東大卒!!」と言われ続ける毎日の中で、思わずぽろっと
「東大東大って言いますけど、私、そんなに頭良くありませんよ。毎日16時間も勉強してれば、誰だって入れますって。私、受験勉強しかできないんですよ」
とぼやいたら、いつもはふざけた感じの数学科の先輩が
「いやいやいや?普通は16時間も勉強できないから。それだけ努力できるってのも、才能の一つだから。先生、十分すごいって」
と。
先輩は特に意図したわけではないと思いますが、その時、その言葉が、すとん、と心の中に落ちてきて、そのまま何十年たった今もここにあります。
そうか・・・いつもいつも「東大まで行ったのに、学歴をうまく使いこなせない落ちこぼれ」って言われている気がして嫌だったんだ。「ただのガリ勉で、何の才能もないのは、自分が一番良く知っている」って。そうか・・・入っただけでも、誇って良いんだ。
うん、先輩は覚えていないかもしれないけど、あなたの言葉は私にとって一生で一番の、最高の褒め言葉だったよ。ありがとう。
ちなみに今「東大まで出て、なんで先生なんてやってんの~。もったいないじゃん」と言われても「い~じゃん、先生の仕事、好きなんだよ。楽しいよ?やりたい仕事ができるって幸せだよ?」と心の底から笑い飛ばせます。
しかし…1日16時間勉強…。2児の母親となった今となっては「あの生活は、どんなもんだ?」と疑問に思います。
高校3年生の後半は「受験生」を免罪符に、家の手伝いをするわけでもなく、朝から晩まで、上げ膳据え膳で寝るとき以外は勉強していました。学校も自由登校になれば、余裕で1日に16時間の勉強時間が確保できるわけです。そして、勉強すればスコアが上がってめっちゃ嬉しい(やってもやっても上がらない時期もありましたが;)。ライバルに勝てば「よっしゃ~!」と思う。
…これ、ゲームのスコアを上げる楽しみと同じだと思うんですよね。すると…家の手伝いもせずゲーム三昧で遊んでいるのと、私のやっていたことは大差ないのでは?…とか思ったり思わなかったり;;
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