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イタリア在住10年以上、イタリアオペラを得意とする声楽家SACHIMIです。
伸び悩みを感じているオペラ歌手や声楽家を教えています。~自己紹介とメッセージ~
歌が好きで、オペラの舞台が大好き。
私のすべてはそこにあると言っても過言ではありません。
今4歳の息子の子育て中ですので、以前と同じように演奏で飛び回ることはできませんが、最近はまた自分の歌を磨きなおし始めました。
(略歴)
国立音楽大学大学院・音楽研究科オペラコース修了
修了時成績優秀者による修了演奏会出演
東京二期会正会員
2012年より渡伊
こんな私ですが、もともと落ちこぼれ組出身・・・
声楽人生の半分を占める日本での10年間は、パッとしないものでした。
今思えば、何が正しくて、どこをどうなおしていけばいいのか、発声について具体的には何もわかっていませんでした。
当然コンクールやオーディションに通るはずがなく、ほとんど評価されることのない日々を悶々と過ごしていました。
声楽業界の中の自分の立ち位置に気付いたのは、大学院を修了して少し経った頃。
毎日アルバイトをしながら生計を立てつつ、月3、4回の安くないレッスン代を捻出。ただ歌に関しては現状維持で精一杯。
時間も体力も経済的にも制限がある中で、本来もっと有意義に歌に向き合わなくてはいけないはずが、ただ曖昧な練習を繰り返す毎日。
この生活を続けていって、これまで伸び悩んでいた歌が突然激変するわけもなく・・
『こんな生活もう嫌だ・・』
約3年奮闘した末、心は擦り切れ、自分がなんで歌を歌うのかもわからなくなっていました。
留学に興味を持ったのはこの時が初めて。
思い立ったらすぐ行動の私は、その数か月後にはイタリアのシチリア島にいました。
そこでの生活は、まさに«イキイキとした音楽とカルチャーショック»に溢れていました。
毎日のように劇場に通って本物のオペラ歌手の声と身体から発せられるオーラをビシビシと肌で感じる日々。
今思うと、この時、声楽的感性をググッと育ててもらったのだと思います。
レッスンの内容もこれまで受けてきたものと違い、歌の基礎を徹底的に叩き込んでもらいました。
どんどん吸収する私にマエストロは『SACHIMIはカラカラのスポンジのようだ』なんて言われました。
その後も様々な難局を経験し、4年後には出場したコンクールはすべて入賞するほどまでになりました。(ものすごく省略しましたが、そりゃ色々ありました(笑))
【入賞歴】
アミグダラ国際オペラコンクール第1位
アチレアーレ国際声楽オペラコンクール第1位
シモーネ・アライモ主催ベルカント国際オペラコンクール第1位
ベニアミーノ・ジッリ国際オペラコンクール第2位
結果がついてくるようになったのは33歳の頃。
その年に結婚もし、コンクールやオーディションで忙しくしながら演奏活動もしていましたが、正直年齢はネックでした。
出産というタイミングも考えなくてはなりません。
この生活を続けることができるのはせいぜいあと1,2年。
しかし私はイタリアにおいてなんの後ろ盾もないただのアジア人。
コンクールに入賞するような実力がつけば、世界は変わるのだと信じていましたが、実際は声楽家としてただスタートラインについただけ。
ちょっと歌えるアジア人声楽家になっただけ。
マリアカラスの言葉にも「声楽を学ぶものは一生勉強」とありますが、しかし基礎を学び、スキルアップに全身全霊を捧げることができる時間はそう長くはないのだと、ここでやっと気付きます。
なぜなら、評価されるようになってからがキャリアのスタートだから。
異国の地で仕事を頂けるような信用を得るためには、一期一会の機会に確実に良い演奏をし、それを年単位で積み上げ、安定した歌唱力と信頼のおける良い人間性をもっていることを周囲にアピールしていく必要があります。
また人間関係というものは簡単に広がるものではありませんので、積極的にいろんな場で自分を売り込む必要もあります。
それにはせめて5年はほしいところ。逆算していくと、必然的に20代後半には発声の確立をしていかないと難しいとわかります。
プロの声楽家になる為には、歌の技術や音楽性などは当たり前に大事です。
だけどそれと同じくらい、人生のセルフプロデュース力が問われます。
声楽家は皆、個人事業主であり、同時に皆ライバルでもあります。
あなたを引き上げるために助言をしてくれる親切な方は多くありません。
しかし私は自らの苦い経験から、自分と同じような不完全燃焼な思いをする同志が一人でも減ることを望んでいます。
成功者が少なく情報も少ない閉ざされた世界にある声楽家への道。
せっかく音楽や歌が好きでこの世界に飛び込んできたのに
『時間切れ・・・』
そんな人生を、あなたは望みますか?
私は良い勉強を積み上げることのお手伝いには自信があります。
だけど、時間だけはどうしようもありません。
だからこそ、人生を逆算し、常に客観的に自身を見る視点を持ってもらいたい。
私は多くの技術だけを伝える指導者ではなく、プロの声楽家になりたいという夢を実現するために生徒さんの側で伴走するような指導者でいたいと考えています。
~最後に~
以上が、私の指導スタンスです。
歌の世界に身を投じ、20年以上が経ちました。
その中で培った声に対するアプローチは、プロの声楽家になりたい方のためだけでなく、もちろん趣味で歌われている方にもお役立てさせることができると思います。
ただ覚えていてほしいことは一つだけ。
『講師が生徒さんを成長させるのではなく、生徒さん自身が自分を成長させる』
受け身の姿勢では技術は定着しません。
忍耐強く私を信じて指導してくれたマエストロたちと同じように、また私も、私を選んでくれた生徒の皆さんを信じ、忍耐をもって向き合っています。
***ayato