- 趣味
公園のベンチや電車の中で周りを見渡すと、世の中には色々な人がいるなぁと改めて感じます。
色々な人の色々な表情を見ていると、その人の人生や性格が見えてくるようで、
そうやって妄想を膨らませるのが昔から好きです笑
(今朝お散歩に行ったシェーンブルン宮殿にて)
- ラヴェルの趣味
「人間観察」も少し変わった趣味かなと思いますが、
「変わった趣味」で思い出す作曲家と言えばモーリス・ラヴェルです。
ラヴェルは一風変わった逸話が沢山残る人物です。
常におしゃれに気を配り、常に完璧で美しい容姿をしていたラヴェル。
その一方で家具やがらくたの収集を趣味としており、アジアへの関心も非常に高かったようです。
「巣窟と読んだほうがいいような応接間には、日本の骨董品ばかりがやたらと置いてあった。ところがかれはいたずらを企んでいるから、ことは複雑だ。というのは、全部が全部わざとにせ物を置いてあったのだ。デパートで買った花瓶、糸グラスの造花、バザーで売っていた東洋調の茶碗といった具合だ。
そして丁重な客が感心して見とれようものなら、ラヴェルはどんなに面白がったことか!
-------ところがね、これ、にせ物なでんすよ!
とかれは子どものように得意顔で叫ぶ。」
(出典:ラヴェルと私たち E.ジュルダン=モランジュ著 安川和寿子・嘉乃海隆子共訳 音楽之友社 1968年)
そんながらくたやおもちゃが沢山詰まった彼のお家は、まさにおもちゃ箱のようだったと言います。
- ラヴェルの作品
彼の作品を聴くと、「非の打ち所がない完璧さ」と人をからかって面白がるような「子供っぽさ」が随所に見られます。
例えばヴァイオリンソナタ ト長調
1楽章はイギリス行きのフェリーの中で故郷フランスを想って書いたとされていますが、極限にまで音を厳選し、洗練されており、ピアノとヴァイオリンという相容れない楽器の「独立性」と「融和し難い要素」を強調する事に見事に成功しています。
その一方で2楽章はブルース風。息抜きにジャズを好んで聴いていた彼は、ピアノとヴァイオリンの即興風のセッションを実現しました。でも、もしかしたらいたずら好きだったら彼のことだから、あくまで「イミテーション」。そのイミテーションを聴いて楽しむ聴衆を面白がっていたかもしれません…!
- 作曲家を観察すると
作曲家の多くはすでに亡くなってしまっているので、彼らを目で見て観察することは出来ません。
でも、彼らの伝記や逸話、痕跡を辿ってそこからイマジネーションを膨らますことは出来ます。
そうすると、時代も環境も異なる人たちの人間性が見えてきて、ふと身近に感じられるかもしれません。
ヴァイオリンの練習時間が確保出来ない…!と悩んでいる方は、
通勤通学の時などのちょっとしたスキマ時間に作曲家について調べて(今はネットでも沢山の情報が得られますよね。)
作曲家や曲に対するイメージを膨らませてみてください。
きっとヴァイオリンを持った時、また別の世界が広がっているはずです!:)
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