こんにちは。
中学受験生に国語の授業をしているとき、「このぼう線部の『そういう』って何を指しているの?」と問いかけたりします。
そのとき、ある生徒が「う〜ん」と考え込んでいるんだけど、「実際に読もうとする前に悩んでないか?」「まず直前を読んでみたら?」などと思ったので、「まず読んでみることの大切さ」についてお話をしたことがありました。
そうすると、となりで聞いていた保護者の方から、「今の説明、文字化してください!」と言われたので、文字化してみました。
今回はその内容を共有してみようと思います。
授業でお話したこと(確かこんな感じ+α)
一般的に、応用問題は、基本問題の組み合わせです。
基本1、基本2、基本3を組み合わせることができれば、応用問題は解くことができます。
ただ、基本1がわからないのではいけないので、基本問題のマスターがまず必要です。
そして基本1〜3を単体で解けるようになったら、それを組み合わせた問題に当たっていくことで、だんだん応用問題が解けるようになります。
ただ、たとえば算数の場合の数や規則性などでは、基本1は「とりあえず数えてみる」とか「線分図・ダイヤグラムを描いてみる」「とりあえず手を動かしてみる」という部分だったりすることも多いです。
だから、「悩む前にまずやってみる」ことが最善手、という場合も多くあると思います。
国語にも当てはまる
国語でも同じようなことが言えます。
ぼう線部の内容が「どういうことか」と問われていたら、そのぼう線部を「くわしく言い換える」ことが必要なのですが、そこからやる手順って毎回同じようなことです。
ぼう線部に指示語が入っていれば、まず指示内容をはっきりさせる。
対比の内容が入っていれば、それと反対の内容を探す。
抽象的な言葉が入っていれば、それを具体的に言い換えている部分を探す。
比喩表現が入っていれば、その比喩表現が指す内容を探す。
その探すべき指示内容というのは、その作業だけにしぼってみれば、意外と簡単な作業だったりします。新六年生のデイリーサピックスや日能研の教材であっても、「すぐ直前に書いてあるじゃん!」ということだって多いのです。
だから、
まず、ぼう線部の内容を大ざっぱにつかんだ上で、
「指示語が指しているのはなんだろう?」
「これと対比になっている表現はなんだろう?」
ととりあえず探してみることで、解答の確かな根拠が見つかることも多いのです。
そういった作業を繰り返して、基本的な作業がパッとできるようになること。それが、ちょっとむずかしい「応用問題」に対応していくために大切なことだと思います。
そしてそれと同じくらい、語彙も大切ですよ。
たどろうとしても、その言葉がどういう意味なのか分からなければ、たどりようがないですからね。
だから、解答をたどる中で本文中であいまいにしかわからない言葉があったら、かならず抜き出して調べること。できれば語彙リストをつくること、というのは重要です。
授業中に出会ったものは板書の言葉リストに加えていますが、自分で学習しているときも言葉リストの作業は必ずやりましょう!
難問の場合
難関校受験でなければ関係ないですが、国語の難問だと、その探すべき言葉がなかったりします。筑駒とか開成とか、渋幕とかそのレベルですが・・・探せたとしてもこれまた抽象的とか、そもそも文章のレベルが難しすぎるとか。
あと、探すべき言葉をまるまる自分で考え出さないといけない問題もあります。これは「詩」の読解ですね。かんたんな言葉で書かれていて文字数も少ないのに、「詩が苦手だ」という人が多いのはそういうところだと思います。
筑駒の詩の問題なんかはなかなか正解できないですし、聖光も出たことあります。鴎友学園でもかなりの難問を見たことがあります。地方で言えば地元福岡の西南学院中なども詩をよく出します。いろいろな生徒がいましたが、全員、詩に苦労していました。
そういう問題は、「頭の中の語彙力・言い換えの表現力」を問うているのだと思います。これもまずは説明文で出てくる抽象的な用語をいかに知っているか、物語文で出てくる心情表現の言葉をいかに頭に入れているかという、「語彙のインプット」が大切です。
以上、参考にしてください!
Comments (0)