見ている、つもり?!

中村勇太

言葉だけで、動きや形を説明するのはとても難しいことです。

 

数学や物理の基礎がある人には、細かい指定をすることで伝わる気もしますが(汗)

 

そこで、図や写真や、最近だと動画がつきますが、その結果主たる説明文が読まれていないことも多いと思います。

 

しかし、写真や動画のイメージがついたとしても、VRなどで見ない限りは二次元のものを眺めています。

 

見る側が映されたり、印刷された被写体を立体として捉えていないことは意外と多いのです。

 

見ているつもり、でも見られていない。

見せているつもり、でも見られていない。

 

Skypeレッスンでも同様です。

対面レッスンでも、一方向からしか見ていない人は多いと思います。

 

空間図形として捉えると言うことは、三つの軸が必要です。

 

例えば、弓の構え方や弓の動きを見る、とします。

 

多くの教本や教材では、こうです!と一方向からの画像だけがついています。

 

初めての場合、コレはコウ!と習うと明快なのである意味正しいのですが、誤解につながることが沢山あります。

 

横から見て写真通りでも、上下、前後で見ると何か違う...ということが考えられます。

 

つまり、レッスンの中で、形や動きを見るときは、必ず3方向から把握して、それぞれがどう繋がってその見た目になるのか、どういう動きが実現するのか、変化はどうなるのか、などなどを伝えて、理解してもらわないといけません。

 

一つ一つがとてもシンプルな理屈なのに、それが3方向で絡まってくると頭がパンクしがちです。

 

最初の最初には、もちろん全てを正しくすることは困難です。パンクしないために、無意識に単純化して眺めてしまうのかもしれません。

 

以下、自分が新しいテクニックを習った時、先生が仰った言葉です。

------------

できるかできないか、というのはやってみないとわかりません。必ずできます、とも約束はできません。でも、最終的にここを目指しましょう、としない限り、正しい方向の成長はありません。

---------

一回で解決できないことも、落ち着いて取り組めるように心がけたいものです。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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