ある方が息子さんに向かって「唯一無二の人になれ」と言ったそうです。
唯一無二とは広辞苑で“ただ一つだけで二つとないこと”。
唯一無二を一般的解釈と同じ使い方をするならば、人は誰しもが唯一無二です。
私達はそれぞれ、その人が自覚しようがしまいが人生で喜怒哀楽から学びを得る存在です。
それぞれがそれぞれの課題(未熟さ)に直面しながら生長していく。同じものはなく、それ故唯一無二ともいえます。
しかし、この言葉は【特別な存在】を指すのではないでしょうか。
他者、或いは自分自身に向けて、特別な存在の私。特別な誰か。誰にも真似できない特別な。
その構図は、高台から下にいる他者を見る、または、下から空の上の他者を崇めてる様を作り出しています。
わざわざ唯一無二を目指すことはないのです。
既に唯一無二なのですから。
何かを成し得ても、それはただ“それだけ”です。
また、何かを社会に表明しなくとも私達は皆唯一無二です。
どのような場合でも、特別感は欲であるだけです。
過去、「これで唯一無二の人になった」と言った人がいました。
けれどその瞬間全く反対の方へ滑り落ちました。
人は崇拝にはあたりません。
なぜなら私達は生涯未熟な存在だからです。
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