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英訳された和書を聴く その2 「博士の愛した数式」

Lotta

私は数学が本当に苦手で、和書はタイトルだけで避けていたのですが、
Audibleで英訳版が無料だったのでDLして聴いてみました。

事故によって記憶が80分しか持たない数学博士と、そのお世話をすることになった家政婦「私」と、その息子「ルート」との心温まる物語です。
博士はたいへん不器用な変わり者ですが、ルートへの無償の愛や、私への優しい気持ちを数学を絡めて表現していきます。「私」と「ルート」は、博士と関わりあううちにすべての数字が美しく意味あるものだと感じるようになります。

例えば
主人公の誕生日2月20日(220)と、博士の大切な腕時計の識別番号(284)は
amicable number (友愛数:その数字の約数の和同士がそれぞれの数字となる)だと博士が説明します。
220の約数:1+2+4+5+10+20+22+44+55+100=284
284の約数:1+2+4+71+142=220
友愛数の組み合わせは少なく、神秘的な数の偶然と言われており、博士はそこから「私」への信頼を深めます。

それから
perfect number (完全数:自分自身の数を除く約数の和が自分自身と等しい数)
この本ではタイガースの名投手、江夏選手の背番号28 (1+2+4+7+14=28) が物語を通して重要な鍵となります。

数って神秘的で面白い、学生の頃にこんな話を数学の授業でしてもらえたらいいのに、と思いました。

今年読んだ(聴いた)本のナンバーワンかもしれません。
何かと生きづらいと感じてしまう日常生活の中で、温かいものに飢えていた私にド・ストライクな作品でした。
英文は平易で聞き取りやすく、ナレーターの声、雰囲気も大好きです。
(ナレーターのCassandra Camphellは、"Where the Crowdads sing"など、多くの作品を読んでいます)
日本語でも英語でも優しい作品に触れたい方はぜひ!


勉強の秋、読書の秋、
何をしようかな?と迷っている方は、「英語学習カウンセリング」でお話しませんか?



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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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