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どうやってこれから生きていくのか?【前編 因縁の法則】

Yuki.Kyoto

こんにちは、氣功師の有岐です。

 

先週は海外からのお客様への京都観光で小さなアクアで縦横無尽に走り回っていました。

どの神社仏閣でも、その歴史や時代背景、またご仏像やご利益のお話ばかりでお腹が一杯にになってしまったのでした。

 

宗教は本来、どのように生きるのかという、「心の哲学」

そんな事で、今日は


「どうやってこれから生きていくのか?」

そんなお話です。

 

 

 

 キリスト教と仏教の大きな違いの1つは、神や世界の「見方」
 

私達は「心の苦しみを失くしたい」という思いがあり、その苦しみから脱却する為にどうしたらよいのかという教えを宗教に求めるのではないでしょうか?

 

 

 

 

◆キリスト教の神と契約
キリスト教では、神は絶対的で永遠に存在する超越的な存在です。

すべての世界と人間を創造し、神は人々と特別な「契約」を結んでいます。この契約は、神の教えに従い、信仰を持つことで、神からの愛や救いを受けるというものです。

 

神は不変で、信者にとっての守護者であり、人生の意味や目的を示してくれる存在という考えです。

またキリスト教では、神はすべての人を愛していると教えます。神の愛は限定的なものではなく、すべての人に広がっているのです。

そしてキリスト教においては、信仰を通じてこの愛を受け入れ、神と正しい関係(契約)を築くことが重要だとされています。

神の救いを受けるためには、イエス・キリストを信じ、神との契約を守ることが重要とされています。この契約の中心は、イエス・キリストの贖いによる救いを信じることです。この信仰を通じて、神の愛や恵みを体験し、最終的な救いを得ることができると教えられています。



◆仏教の考え方
一方、仏教では、キリスト教のような絶対的な唯一無二の存在(神)は認められていません。

絶対的で永遠不滅で変わらない物なんて存在しない、という考えです。

仏教は、すべてのものが「因果の法則」と「縁起」(*以下の解説)によって成り立っていると考えます。

全ての世界はその関係性の中で織りなしていくと考えられているのです。

 

 


           
  
 

 因果の法則

 

「因果」とは、「原因」と「結果」の関係です。

すべての出来事や結果は、必ず何かの原因から生じます。

 

例えば、種を植えると(原因)、芽が出て花が咲く(結果)。

この法則は私達の行動や考え方にも当てはまり、日々自分が行う選択や態度が、未来にどう影響を与えるかを決定します。

 

 

 

◆人間関係での因果の法則

友人や同僚との関係での因果の法則を簡単に説明してみますね。

もし、あなたが相手に親切な態度を示し、相手の立場に立って物事を考えるとします。相手はそれを感じ取り、そこから信頼感が生まれ、良い関係が築かれるでしょう。

「親切な行動(原因)」によって、「信頼や友情(結果)」が得られるのです。

 

 

しかし、逆にもしあなたが、忙しいからといって相手の意見を無視したり、批判的な言葉を使ってしまったらどうなるでしょうか?

その瞬間、相手は傷つき、次第にあなたとの距離を取るようになるかもしれません。「無視や批判的な態度(原因)」が、「相手との不和や孤立(結果)」を生むことになるのです。

 

 

でも実際はそんな単純ではないと思われるかもしれません。

でも因果の法則は、「自分の行動が未来の結果を作る」というシンプルな真理ですが、その結果はすぐに現れるものではなく、時に想像以上に深く、広範囲に影響を与えます。

だからこそ、短期的な利益や感情に流されず、自分の行動がどう未来に繋がるかを冷静に意識することが大切です。

 

 

 

目の前に横暴な振舞いの種をまき散らしている人が、良い地位や富を得ているかもしれません。「まいた種と違うじゃないか」と思うかもしれませんね。

 

でも先程書いたように、急いで成功しようと近道を取ることが「原因」として一時的には成功をもたらすかもしれませんが、長期的には信頼を失ったり、より大きなトラブルに繋がる「結果」を引き起こすこともあります。

必ず「自分がまいた種は、必ず自分が刈り取る事になる」のです。

 

あなたはどんな種をまいているでしょうか?

 

 

◆仕事における因果の法則

仕事でも同じように因果の法則が働きます。

もしあなたが自分の責任を果たし、同僚や部下にサポートを提供するなど、積極的に働きかけたら、周りの人もその姿勢に共感し、全体の実績が向上します。

「協力的な行動(原因)」が、「仕事の成功(結果)」に繋がるという事です。

 

一方、もし責任を回避したり、他のメンバーに自分の仕事を押し付けたり、批判ばかりしていたらどうなるでしょう?

会社の士気は下がり、社内のモチベーションが下がります。最終的に、信頼を失い、業績が下がる事に繋がるかもしれません。

「不誠実な行動(原因)」が、「失敗や信頼の喪失(結果)」を招くということです。

 

??因果の法則の簡単まとめ??

因果の法則は、日々の小さな行動や言葉が、将来の自分にどんな影響を与えるかを示してくれます。人間関係においても、仕事においても、自分の態度や行動が長期的な結果を作り出すことを意識することが大切です。

良い原因を蒔けば、必ず良い結果が返ってくる。蒔いた種は遅かれ早かれ自分で刈る事になる。これはシンプルで真実の流れです。


 

 

【 縁起 】
「縁起」という「縁」「起」の二つの漢字から成る言葉の由来とは?

 

1.縁(えん): この漢字は「つながり」や「関係」を表します。

つまり、物事が互いに依存し合い、結びついていることを示しています。縁は、条件や要素、他者との関係性を指し、何かが生じる背景や理由を意味します。

 

2.起(き): この漢字は「生じる」や「発生する」という意味を持ちます。物事が現れることや、出来事が起こることを示しています。

 

 

この二つの漢字を合わせて「縁起」となると、「縁が起こる」、つまり「さまざまな条件や要因が絡み合って、何かが生じる」という意味を持つようになります。

 

仏教においては、すべての現象が相互に関連していることを強調しており、単独の原因だけではなく、複数の要因が合わさって結果が生まれるという考え方なんですね。

 

 

すべてのものは、さまざまな条件(縁)によって成り立っていて、その条件が揃わなければ存在しないのです。

ちょっと難しそうですが、例えば、木が成長するには、土や水、太陽などの【要素】が必要ですよね。それらが揃わなければ、木は育ちません。

このように、あらゆるものは互いの関係性の中で存在しているのです。
 

 

人間関係、仕事、家庭、そして人生全体、具体的な縁起の例で、どのように条件や要素、関係性が働いているかを簡単に解説しますね。
 

 

1. 人間関係における縁起

人間関係は、信頼、思いやり、共通の経験など、さまざまな条件が複雑に絡み合って成り立っています。

 


友人との関係は、単に「会話が楽しい」ということだけでは成立しませんよね。例えば、あなたが友人を気遣い、時間をかけて話を聞くことがあれば、その友人はあなたを信頼し、より深い関係が築かれてきます。

 

逆に、もしあなたが友人に対して無関心な態度を取り続けたり、相手の意見を軽視するような行動を取れば、次第に関係が悪化するかもしれません。これも、「無関心や不注意(原因)」が、「関係の冷え込み(結果)」を招く一例です。

 

これには、思いやり(条件)、時間を共有する(条件)、共通の興味や価値観(条件)などが複雑に絡み合い、それらの要素が揃うことで、友人との強い絆が育まれます。

 

 

2.仕事における縁起

仕事での成功や失敗も、さまざまな要因や条件が関わり合っています。個人の努力だけでなく、周囲との協力や環境の影響も含まれます。

 


仕事で業績を上げるには、あなたのスキルや努力(条件)同僚との協力(条件)会社のサポート(条件)などがすべてうまく機能する必要がありますね。

 

あなたが一人で頑張っても、周りの協力が得られなければ、うまくいく事は難しいはずです。また、会社の環境や上司の方針がサポートされているかどうかも、重要な要素ですよね。

 

逆に、仕事でうまくいかないときは、単に「努力が足りなかった」というだけではなく、他のメンバーとのコミュニケーション不足や、会社の方針が合わなかったといった多様な要因が関係していることが多いです。

 

こうした様々な条件が関わって、結果が生じるというのが縁起の働きです。


 

3.人生全体における縁起

人生そのものも、様々な縁(えん)によって成り立っています。

家族や友人、職場の同僚、さらに自然環境や社会制度までもが、私たちの人生に影響を与え、また私たちもそれらに影響を与えています。

 

【??人生の選択】
たとえば、あなたがどの大学に進学するか、どの仕事を選ぶかは、その時の周囲の環境やアドバイス、個人の希望、そして社会情勢など、いくつもの要因が絡み合っています。

 

たまたま出会った人の一言がきっかけで、新しい仕事に興味を持ち、その選択が将来のキャリアを大きく左右することもあります。

その瞬間の選択や出来事(縁)が、将来の人生の方向性に大きな影響を与えるのです。

これって結構人生の岐路に立っている時はわからなくても、「あの時のあの人との出会い」が人生に大きな影響を与えたと後になってわかったりしませんか?

 

 

個人の力ではどうにもならない要因が、私たちの生活や選択に影響を及ぼすことが実は沢山あります。

このように、私たちの人生は、多くの外的要因と内的選択が互いに影響し合い、縁起によって成り立っているのです。

??????縁起の簡単まとめ??????

縁起の法則は、すべての出来事や関係は、多くの条件や要因が絡み合って成り立つという真理を教えています。

 

「種」は小さなものです。しかし、お寺や神社にある、ご神木のような大きな木を思い出してください。あれも初めは小さな種だったはず。そこから小さな芽がでて、少しずつ少しずつ日を重ねて、結果、あんなにどっしりとした大きな木になるのです。

 

結局、私たちの目の前の出来事も自分の中にある「種」が起因となり、そこから目をそらしてきたからこそ、気づくと大きくなり、結果として今目の前にあるのではないでしょうか?

 

昔は「1円を大切にしない人は1円に泣く」と言われました。

 

あなたの中の小さな種、その小さな物に意識を向ける、そしていつもいつも選択する事を意識する。

 

「自分はいつも何者かにならないといけない」

「自分の価値を確立しなければいけない」

逆に

「自己を確立する事は怖い」

「劣等感を感じる事が怖ろしい」

 

そんな自分の生まれ持ってもつ、欠けている部分の小さな「種」から目を背けていませんか?

 

この事を理解することで、物事を一面的に見るのではなく、より広い視野で関係性や条件を考えることができるようになります。

日々の小さな選択や行動が、未来に影響を与えるという事ですね。

 

 

 

 

物事は全て、因と縁で出来ている。

 

因=「原因」で、縁=「条件」、それを合わせて

結果という「現象」が起こる。

 

全ての物事は

「原因と条件があり、結果が起こる」

その法則で起きて、また現象は留まる事なく常に変化していく。

 

 

 

 

 

 

最後に「神との契約と仏教徒の違い」

いかがでしたか?

ここでは、「神や世界の見方」を主観を入れずに取り上げました。

 


キリスト教では、神という永遠で絶対的な存在に信仰を捧げ、その神との契約に基づいて救済が得られるとされています。一方、仏教は、永遠で不変な存在を認めず、この世のすべてが原因と結果の連鎖で成り立ち、すべては無常であると教えます。

仏教の神髄的な所は、何か外部の存在に頼るのではなく、自分自身の行いや心の状態を整えることで、心の苦しみから解放され、悟りに近づくことを目指します。

 

つまり、自分自身の内面に向き合う事、そして因果や縁起の理解を通じて、いかに活きるのかという事を探求していくのです。

わかりやすくまとめると…
キリスト教では、神という強大な存在と特別な契約を結ぶことで、人生の意味や救いを見つけます。

仏教では、すべてが因果と縁起の中で成り立ち、何かに頼るのではなく、自分自身の行いと心のあり方によって人生を切り開いていくと考えます。

 

この違いは、絶対的存在の神への信仰と、自己の内面を探るか、という点で違いがあるのではないでしょうか。

 

次回はこの続き。

あまりに長くなって次回に・・・

氣功師の有岐でした

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The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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