初めまして。Cafetalkに新設された声楽レッスン担当のMickyです。
皆さんが初めて買ったCDって何だったでしょうか?私の世代ですと、槇原敬之「どんなときも。」やZARD「負けないで」が初CDだったという友達が多いです。そんな私も親に隠れて初めて自分で買ったCDは今や若い人は知らない(笑)、8cmシングルCDの「負けないで」でした。
でも、本当の初CDは5歳の時に買ってもらった、この動画にあるグレン・グールドのバッハ『平均律クラヴィーア曲集』でした。当時はこのCDばかりを聞いていたので、私の中でグレン・グールドのバッハの解釈が私の中でいつの間にかスタンダートになってしまうほどでした。それほど幼児の心を惹きつけた音楽だったに違いありません。
だけど、大学のピアノレッスンで平均律を弾いた時、「グレン・グールドは確かこう弾いてたんですけど…」とピアノの先生にチョロっと言ったら、「グレン・グールドはスタンダードじゃないから、真似するんじゃない!!」とすごく怒られてしまいました(^_^;) 恥ずかしながら、それまでグレン・グールドがそういうスタンスのピアニストだとは知らなかったのですが、楽譜にない声部を足して弾いたり、楽譜に書いてあるテンポや強弱をだいぶ変更しているらしいのです。なるほど。
私がこの時を境に、いつも考えているのは「スタンダードな音楽って何だろう?」ってことです。
声楽家にしろ、ピアニストにしろ、私たちは時にartistと呼ばれますが、画家や作曲家、作家といったartistと根本的に違うところは、私たちは過去の作曲家が作ったものを音にしているのであって、勝手に自分で音を作り上げていい訳ではないというところでしょう。
作曲家をrespectして、楽譜に書いてあることに忠実に、時代様式をきっちり守って・・・でも自分の色がない演奏はお客さんに魅力を感じて聞いてもらえないし。。。結構、窮屈なんです(苦笑) メロディーに感情を込めるのではなくて、逆に、溢れてしまう感情を、どうにかこうにか引き算しながら演奏しないと、音楽として成り立ちませんし、演奏する方も聞く方も疲れてしまって最後まで持ちません。かと言って、当然ながら楽譜に忠実なだけの保守的な演奏は聞くに値しません。
こんな感じで、私はいつもバランスが取れるポイントを練習で探りながら曲を仕上げて、そして演奏会に乗せます。つまり、作曲家の意向と自分の音楽感、「そのギリギリの線を攻める!」みたいな感じです^^;
グレン・グールドの音楽は、確かにちょっと行き過ぎてはいたのでしょうが、それでも、「演奏する価値のある音楽とはどういうものなのか」を私に常に問いかけてきてくれます。
Micky
Jun 10, 2014
Romi先生★コメントありがとうございます!声楽家としてではない私の一面をご存知のRomi先生とこうしてお話するのは少し恥ずかしくもあり、嬉しくもありますヽ(*゚ω゚)ノ
Romi先生とクラシック音楽のお話はしたことがなかったように思うのですが、グレン・グールドの演奏をご存知ということはかなり詳しいですよね。やはりあれだけ感情の表出があると、多少様式をハズれていても観衆の心を掴むのはすごくよくわかりますね。中国人ピアニストのLang Langがグールドに近いかも。ピアニストの友人には「えっ(;゚Д゚)!」って言われますが、私は惹かれるものがありますし、ここぞと気合を入れるときには好んで聞いています(笑)
Romi先生が爆風スランプを聞いてらしたとは意外です。先生の雰囲気から想像できない!ロックは全くわからないのですが、結構激しい系のグループですよね?Runnerだけ知ってます。。。
Micky
Jun 10, 2014
伊藤先生★コメントありがとうございます(´▽`)!伊藤先生のようにプロフェッショナルな指導ができるよう、私も学びながら進化していきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します!!
実はこのコラムは伊藤先生の先週のラジオで「アシュケナージのレコードをメトロノーム代わりに弾いて練習した」というのからインスピーレションを得て書きました。あ、私も物心ついたばかりはレコードの時代でしたよ。幼少期は童謡や日本歌曲はレコードを聞いて覚えました。両親の仕事の関係でレコードは今でもたくさん残っていますが、怖いのでかけ方がわかりません(^_^;)
クラシック愛好家の中には、本当にこちらがドキっとするほどよく知ってらっしゃる方いらっしゃいますよね。恥ずかしながら「え、、、知らない(汗)」となってしまうことが多々あります。もっと勉強しなくては( ̄▽ ̄;)
Romi
Jun 10, 2014
Mickyさんレッスン開設おめでとうございます♪
確かにグレン・グールドは行きすぎ?と思う人達がいるのは何となく理解出来ますが、個人的には、あの溢れ出る感情を、思いのまま放出させている彼のスタイルが好きです。
始めて買ったCDは、恥ずかしすぎるんですが、爆風スランプの"旅人よ"です(笑) あ〜恥ずかしい。でも今思い返してみると、小学生の頃から世界中を旅することに憧れていたのかな〜という気もします。
伊藤康博(パパさんpianist)
Jun 10, 2014
こんにちわ! この度は声楽(オペラ)レッスン開講おめでとうございます!!
Mickyさんのような方が、これから音楽レッスンを展開していかれる事は素晴らしいと思います。
私も同じ音楽講師として、良いレッスンを提供できるようお互い頑張りましょう!!
さて、私が初めて買ったCDは・・・と言いますか、CDではなく私たちの時代はレコードでした。(笑い)
針でレコードを傷つけないように気を付けてましたが、手が震えてついつい「あっ!!」と失敗。
傷ついたレコードは、そこになると飛ぶんですよね。それでよく怒られてました。
今となっては良い思い出です。
ちなみに、最初に買ったレコードは年代が違い過ぎるのですが “およげたいやきくん” ご存じな方いらっしゃいますか?
クラシックの曲ではやはピアノ曲で、確かショパンのポロネーズ集/ポリーニでした。
ラジオをやっていて驚くのは、私以上に曲を知っているリスナーさんが結構いて、こちらがたじたじになることもあります。
みなさんの中にも、最初に買ったCD or レコードが、クラシック音楽だったという方も、意外と多いかも??ですね。
伊藤康博