おひとりさまの笑えない話【Toriaのおひとりさまシリーズ①】

私は、Abemomo先生のコラムが好きで愛読している。
その中でも「おひとり様シリーズ」は我が身に沁みるコラムとして
かじりつきで読んでいる。

私Toriaの「おひとりさま人生のはじめ」と言えば
30歳でカナダに渡って来た時からと言えよう。

それまでは、成人・社会人と言っても、親と同居でヌクヌクと暮らし
その点は、苦労知らずだった。

カナダでの暮らしは、会社に住み込みというスタイルから始まり
渡加して1年経った頃、やっと一人暮らしを始めた。

もともと、ひとりで居るのが苦にならない私にとっては
「海外でのおひとりさま暮らし」は結構、快適だった…。
なんて格好良い事を言いたいところだが、そのころの私の生活と言えば
土日ほとんど休みも無く
時には26時間労働（24時間越えてる(-_-;)。
カナダ国内を出張して歩き、ホテル暮らし。

出張といっても、人口78名の村とか
隣の家まで2キロとかいう、これまた町‥とか
いっさい英語が通じない、フランス語圏の村とか…
過酷な旅巡業である。

生まれも育ちも東京の私にとっては、拷問としか思えなかったが
実は、町や村の人たちにとっても
こんな身近にアジア人が居た事ない！って訳で
「こんなところに日本人」を地で行く有様だった。

夢や希望を我が身に一杯に乗せて…来た･･･カナダだったはずなのに
その始まりも、途中の道も「こんなはずじゃなかった！」と思っていた。

家族もいない
カナダでの友達は二人
恋人もいない
その二人の友達にさえ、心の底にある悩みを打ち明ける事が出来ずにいた。

自分で決めて、やって来たカナダだけに
親には、当然嘆く事は出来ず
「元気で楽しく、やっている」と嘘の手紙を書き続けた。

でも、それが止む時がやって来た。

会社の窓から、身を投げようと思った。
過酷な労働条件と、理想と現実のギャップに
身も心も疲れ切っていた。楽になりたかった…。

普通の精神状態ではなかった。
身投げをしようと、地上9階のベランダに足をかける。
いざ
身を投げようと思った時
ふっ！と母の顔が浮かんだ。
こんな異国で、娘が”ひとり”で死んだら、どんなにか母が悲しむだろうか。
そう思ったら、一気に恐くなった。

そんな事をしようとした自分に
そして、地上までの”深さ”に
急に足が震えた。

魔がさした…という言葉があるが、それは魔であったのだろう。
今、思い出しても
あの時の恐怖感を、リアルに覚えている。

後にも先にも「死のう」などと思ったのは、その一度だけ。
またも、私に人生の分岐点がやって来た･･･。

これまで、どんな苦しい事・大変な事も
振り返ると、ほとんどは笑い話になっている。
しかし、これだけは笑えない、おひとりさま　Toriaの話である・・・。

To be continued.

TORIA (o￣∇￣)/