食べ物のおいしさを左右する要素は様々ありますが、温度も重要な要素の一つではないでしょうか。「熱い物は熱く、冷たい物は冷たく」が、飲食物を提供する際の鉄則ですよね。その昔(?)、チャイニーズレストランでホールのアルバイトをしていた頃が思い出されます。中華のシェフは「炎の料理人」なんて呼ばれたりするだけあって、鬼のように温度に厳しかったんです。お料理が出来上がった瞬間秒でお客様の元へ運ばないと怒鳴り倒されるので、いつも涙目になってましたっけ……ㅠㅠ
さてさて、炎の料理人顔負けに温度に強いこだわりを見せるのが韓国人です。ビールはもちろんのこと焼酎の瓶もキンキンに冷えていないと、おじ様達は不機嫌になっちゃいます。意外にもヨーロッパの本場のビールはぬるい状態で飲まれることが多いですし、東南アジアでは常温のビールに氷を入れて飲むのが当たり前だったりしますが、韓国のおじ様達の旅先でのしかめっ面が目に浮かぶようです……。冷麺のスープだって、しゃりしゃりシャーベット状じゃなくっちゃ!ですよね。
この温度へのこだわりは、調理法の常識にまで影響を与えています。日本ではお味噌汁を作る時、香りが飛んでしまうのを嫌って長時間煮立てるのは厳禁ですよね。茶わん蒸しを作る時も、すが立たないように火加減に細心の注意を払います。ところが韓国では、とにもかくにも熱さが命!ぐつぐつ煮立った状態で食卓に載ることがマストなのです。我が家ではジャパニーズスタイルで調理したお味噌汁を出すと、韓国人夫から「ぬるいよ~!」とクレームが付いてしまいます。そのため、やむを得ず香りなんかそっちのけで、ぐつぐつ熱々最優先でお料理を提供している始末です^^;日本の皆さんにも大人気の韓国版茶わん蒸し「계란찜[ゲランチム]」も、ふわふわながらもぐっつぐっつの状態で出てきますよね。猫舌さんでない限り、熱々って確かにおいしいもんだなあと納得してしまいます。
というわけで、所変われば常識も変わる!両極端なコリアンスタイルも悪くないのでは?