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Cafetalk Tutor's Column

Tutor Keisuke.H 's Column

I was a bocchi.⑩

Пятница, 29 Март 2024 r. 19:31

父は笑いながらこんな話をした。
「ケイスケが子供の頃、
 ワンワン泣き出したときがあった。
 何かと思って釣り場から車に戻ってみたら、
 小さいクモにビビって泣いてたんだ」
私はその話のどこが面白いのか理解できなかった。
 
虫が嫌いだった。
カブトムシ、クワガタなどの甲虫にも興味はなかった。
近付きたくないし触りたくもない。
昆虫採集をする人がいるのは知っていたが、
これっぽっちも魅力を感じなかった。
 
父とは早朝か夜中に海や山に釣りに出掛ける。
すると、自販機の取り出し口には蜘蛛の巣が張ってあり、
照明の光に小さな虫が集まっていた。
私はその中に手を突っ込むことができなかった。
父は溜め息を吐きながら車を降りて缶ジュースを買った。
 
トンボは例外で触ることができた。
捕まえやすかったからかもしれない。
秋になると団地のコンクリートの壁に数十匹止まっていた。
ゆっくりと近寄ると簡単に捕まえることができた。
 
ある日、友達と二人で虫かごいっぱいにトンボを集めた。
虫取り網なしでも大量に集めることができて嬉しかった。
満面の笑みで家に持ち帰ると母に怒られた。
逃がしてくるように言われたが、
私は飼いたかったから頑なに断った。
翌日、トンボたちは全滅した。
 
その日からトンボも苦手になった。
オニヤンマやギンヤンマは写真や図鑑で見るとカッコいいけど、
実際に近くで見たり触ったりするのはできなくなった。

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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