養生訓(原文)
何事(なにごと)もあまり、よくせんとしていそげば、必(かならず)あしくなる。病を治(ち) するも亦(また) しかり。医(い)をゑ(え)らばず、みだりに医(い)を求め、薬を服し、又、鍼灸(しんきゅう)をみだりに用ひ、たゝりをなす事多し。導引(どういん)・按摩(いんま)も亦(また)しかり。わが病に当否(とうひ)をしらで、妄(みだり)に治(じ)を求むべからず。湯治(とうじ)も亦しかり。病に応ずると応ぜざるをゑ(え) らばず、みだりに湯治して病をまし、死にいたる。およそ薬治(やくじ)・鍼灸(しんきゅう)・導引・按摩・湯治。此六(このろく)の事、其病と其治(そのち)との当否(とうひ)をよくゑ(え)らんで用ゆべし。其(その) 当否(とうひ) をしらで、みだりに用ゆれば、あやまりて禍(わざわい)をなす事多し。是(これ)よくせんとして、かへつて、あしくする也。
何事(なにごと)もあまり、よくせんとしていそげば、必(かならず)あしくなる。病を治(ち) するも亦(また) しかり。医(い)をゑ(え)らばず、みだりに医(い)を求め、薬を服し、又、鍼灸(しんきゅう)をみだりに用ひ、たゝりをなす事多し。導引(どういん)・按摩(いんま)も亦(また)しかり。わが病に当否(とうひ)をしらで、妄(みだり)に治(じ)を求むべからず。湯治(とうじ)も亦しかり。病に応ずると応ぜざるをゑ(え) らばず、みだりに湯治して病をまし、死にいたる。およそ薬治(やくじ)・鍼灸(しんきゅう)・導引・按摩・湯治。此六(このろく)の事、其病と其治(そのち)との当否(とうひ)をよくゑ(え)らんで用ゆべし。其(その) 当否(とうひ) をしらで、みだりに用ゆれば、あやまりて禍(わざわい)をなす事多し。是(これ)よくせんとして、かへつて、あしくする也。
意訳
急(し) いては事を仕損じます。病気も同じです。みだりに、薬を使って悪くなる場合もあります。その病気への対策として、まず、冷静に適切なものを選ぶ必要があります。
気づき
物事が思う道理に行かない場合、その打開策を急いで行おうとします。しかし、その効果については、私の場合、かえって悪くなる場合も多いです。昔から、急がば回れとの諺もありますね。
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