ここのところの新型コロナウィルス関連肺炎のニュースで影に隠れてしまいましたが、
昨日24日に 「マクロ経済スライド」についての話題がありました。
「マクロ経済スライド」とは 毎年社会情勢に合わせて、
年金の給付水準を調整する仕組みです。
年金額は、賃金や物価が上昇すると増えていくとされていますが、
「一定期間」は上昇率を調整(つまり賃金や物価が上昇するほどには上昇させない
=実質目減り)することで、「長期的」に公的年金の財政状態を維持させるとされています。
(デフレの時は「マクロ経済スライド」は適用されません)
この「長期的に維持」というのは
「おおむね100年後に年金給付費1年分の積立金を持つ」
ことを目安にしています。
その為に「年金額の伸びの調整を行う期間(調整期間)」が検討されます。
実際には5年に一度の「財政検証」で見通しを行います。
(最近では昨年8月に発表されたときに話題になりました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/index.html )
1月24日に厚生労働省は、昨年に続き2年連続で「マクロ経済スライド」を発動させ、
2020年度の公的年金支給額を、本来引き上げすべき物価・賃金上昇率の0.3%に対して、
前年度比0.2%引き上げるという発表がありました。つまり実質的な目減りになります。
これだけ聞くと、本当に年金制度は大丈夫なんだろうか?と不安になったり、
信頼できないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、今後100年間の年金制度維持を目標にこのような手段が
とられているのです。私達の老後にとって年金が大事な収入源となることは
間違いありません。
ただ、制度を維持するために多少の減額・実質目減りは今後もあると思われます。
年金額と自分の目指す生活レベルとの乖離がどのくらいあるのか、
不足分をどうするのか、現役時代から考え、その時々で調整し、備えていくことが
大事になると思います。
参考:毎日新聞 2020年1月24日記事
https://mainichi.jp/articles/20200124/k00/00m/010/130000c
公的年金伸び率0.2%に抑制 2年連続「マクロ経済スライド」適用
厚生労働省 「いっしょに検証!公的年金」マクロ経済スライドってなに?
Comments (0)