フランス人は小説やエッセイを書くとき、伝統的には複雑な文章を好むようです。
だからこそ、20世紀になって、カミュやデュラスの文体が新鮮に響いたのでしょう。
でも、諺の世界を覗くと、フランス語は昔から実にシンプルです。
ものすごく短い諺ではこんなのがあります。
Peu et bon.
主語も無いし、そもそもフランス語の基本的な文としての構造を成していません。
少しで良い。
少しでおいしい。
その方が逆よりいいね、という意味。
(逆というのは、たくさんあるけどまずい、ということ)
Le peu parler est or, le trop parler est boue.
少し話すのは金、話しすぎるのは泥。
Donner un œuf, pour avoir un bœuf.
卵をあげて牛を得る。
卵の œufと牛のbœufが韻を踏んでいます。
卵と引き換えに牛をもらえたら、ものすごく得をしたことになりますね!
現代の都会生活では、飼うのもなかなか大変だとは思いますが...
Photo by Saya Kimura from Pexels
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