私のレッスンの特徴は、音を最優先に大事にするということです。聞いた音をそのまま真似るというのが、上手な発音の究極的な秘訣です。まずはイメージと正しい音の結び付けを優先しましょう。スペルを正確に覚えること(学校のテストで出る)は一番最後に回してよいです。
ある日のレッスンで低学年のお子さんが、brother を聞いて brovver と発音し、よく音を聞いているな、そしてよく真似たな、と感心しました。ロンドンの下町訛りでは ð を v で代用します。(同様に θ を f で代用。I think が I fink など。)
英語の発音ができている、イコール、日本語発音をしていないということです。日本語訛りを完全に抜くというのが大きな目標です。それが世界中の誰にでも聞き取ってもらえる英語、すなわち伝わる英語だからです。
たとえば、orange という簡単な単語でも、日本人は「オレンジ」と発音してしまい、これは /ˈɒrənʒ/ に近いです。正しくは /ˈɒrəndʒ/ で「オレンチ」のほうが近いです。( dʒ は語尾で tʃ と無声化しやすい。)
また同じように、日本人は river を「ribber」というように、 v を b で発音してしまいます。日本人英語の法則第◯です。v と b をどちらも「バビブベボ」で代用するため(音声上でも表記上でも)、v と b の音が区別できなくなります。river は「リバ」より「リファ」のほうが伝わります。
ところで、カタカナ語で v をわざわざ「ヴ」と表記する場合があります。ライヴ(live)、カヴァ(cover) とかですね。せっかく表記上で区別してくれているので、発音も区別しましょう。v は f の有声音です。
ある日のレッスンでは、いっしょに出てきた river と field で、v と f の同一性を説明しました。同様に、bear と pear で、b と p の同一性を示しました。それらは有声か無声かの違いだけです。
p-b, t-d, k-g, f-v, θ-ð, s-z, ʃ-ʒ, ʧ-ʤ が有声音と無声音のペアです。全部で8組あります。仮に有声音と無声音を同一と見た場合、英語の子音の数は24個(2*8+他8)から16個(8+他8)に減ります。
ある日のレッスンでは、特に ʧ-ʤ と f-v の練習をしました。喉に手を当てながら、ʧ から ʤ に移行する練習、f から v に移行する練習です。小学生のうちにこれをやっておけば、がぜん有利になります。
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